【Linux版】Google Driveをデスクトップアプリのように使う!rclone入門

Linux

導入

WindowsやMacを使っていると、Google Driveのデスクトップアプリは当たり前のようにありますよね。では、Linuxではどうでしょうか?

残念ながら、Googleは公式のLinux用デスクトップアプリを提供していません。しかし、ご安心ください。「rclone」という非常に強力なツールを使えば、公式アプリ以上に便利にGoogle Driveを使いこなすことができます。

この記事では、Linux初心者の方でも分かるように、rcloneの導入から、まるでローカルフォルダのようにGoogle Driveをマウントする方法まで、丁寧に解説します。


rcloneとは? クラウドストレージの万能ナイフ

rcloneは、様々なクラウドストレージサービスをコマンドライン(黒い画面)で操作するためのツールです。

その最大の魅力は、対応サービスの多さです。Google Driveはもちろん、Dropbox、Amazon S3、Microsoft OneDriveなど、主要なサービスはほとんど網羅しています。

一度rcloneの使い方を覚えてしまえば、他のクラウドサービスも同じ感覚で操作できるため、まさに「クラウドストレージの万能ナイフ」と呼ぶにふさわしいツールです。


設定は最初だけ!3ステップで導入する

Step 1: rcloneをインストールする

rcloneのインストールは、公式サイトが提供するスクリプトを使うのが最も簡単で確実です。ターミナルを開いて、以下の1行のコマンドを実行するだけです。

curl https://rclone.org/install.sh | sudo bash

Step 2: Google Driveと連携設定を行う

次に、rclone configという対話形式のコマンドで、あなたのGoogleアカウントとrcloneを紐付けます。少し手順が多いように見えますが、質問に答えていくだけなので簡単です。

rclone config
  1. n) を選んで新しい接続(New remote)を作成します。
  2. name> で、この接続に好きな名前を付けます(例: gdrive)。
  3. Storage> の一覧から drive (Google Drive) を選びます。
  4. client_idclient_secret は何も入力せずEnterキーを押します。
  5. scope では 1 (フルアクセス) を選びます。
  6. Use auto config?y (Yes) と答えると、自動でブラウザが開き、Googleの認証画面が表示されるので、ログインして許可します。
  7. あとは、いくつかの質問に答えて設定を完了します。

これで、あなたのPCとGoogle Driveが安全に連携できるようになりました。

Step 3: Google Driveをマウントする

いよいよ、この記事のハイライトです。Google Driveを、あたかもPCに接続されたUSBメモリのように、通常のフォルダとして扱えるようにします。これを**「マウント」**と呼びます。

# まず、マウント先の空フォルダを作成します (例: ~/GoogleDrive)
mkdir ~/GoogleDrive

# マウントコマンドを実行します
rclone mount gdrive: ~/GoogleDrive --daemon

--daemonというオプションを付けると、コマンドを実行した後もバックグラウンドで接続を維持してくれます。

これだけで、あなたのファイルマネージャー(NautilusやDolphinなど)のサイドバーに「GoogleDrive」という項目が表示され、中身をクリックして直接ファイルの閲覧や編集ができるようになります!


応用編:自動バックアップも可能

rcloneは、ファイルの「同期」も得意です。例えば、cronというLinuxのスケジュール機能と組み合わせれば、「毎日深夜に、PCの重要フォルダをGoogle Driveに自動でバックアップする」といった設定も可能です。

# ローカルの~/important-docsを、Google DriveのBackupフォルダに同期するコマンド
rclone sync ~/important-docs gdrive:Backup

まとめ

今回は、Linux環境でGoogle Driveを快適に使うための決定版ツール「rclone」をご紹介しました。

公式クライアントがないという弱点を補って余りあるほど高機能で、一度設定してしまえば、あなたのLinuxライフをより豊かなものにしてくれるはずです。

この記事が、あなたのデータ管理を効率化する「ヒント」になれば幸いです。

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